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メトロポリタンネットワーク


ADSLやFTTHの急激な普及は、長い間「ラストワンマイル」と呼ばれたボトルネックがこの日本でも解消されてゆくことを意味していた。一方、日本の背骨となっている通信バックボーンでも波長を多重化して送受信するWDM技術により、伝送容量が飛躍的に増大していっている。その結果、基幹バックボーンまで収容するエリア、とくに都市部でのそれがボトルネックとなってきている。  今回は、MAN(Metropolitan Area Network)と呼ばれる新しいカテゴリの通信サービスの特集だ。ダークファイバの解放、光多重化技術の進展、10Gbpsイーサネットの登場など、通信最前線のいくつものテーマがクロスするMANは、いまもっとも熱い話題だ。

メトロポリタンネットワーク

MAN(Metropolitan Area Network)は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)をもじって名づけられたものだ。しかし、LANやWANが企業ネットワークを構成する形態を意味しているのと同じように、MANもなにか企業ネットワークの形態を意味していると考えるとわかりにくくなる。MANは企業ネットワークとは直接関係せず、通信キャリアが提供しているサービスと考えたほうがいい。そのため、MANサービスを利用して企業ネットワークを構築することはあっても、企業ネットワークのあり方をMANと呼ぶようなことはない。
Metropolitanという名前のとおり、MANは都市部で展開されている高速ネットワークサービスだ。都市部にかぎられたサービスが注目されるようになった背景には、次の5つがある。

ユーザー回線のブロードバンド化
ADSLやFTTHといったブロードバンドが登場・普及したことで、インターネット接続回線のトラフィックが激増したことは予想するまでもない。ユーザーからのインターネット接続は、まるで集中豪雨を受けた川の流れのように上流へ上流へと押し寄せている。
日本の背骨となる通信網(たとえば、東京―大阪など)は、WDMなどの技術を使うことで大容量化することができるし、できている。これに対して、「ラストワンマイル」と呼ばれてきたユーザー側のアクセス回線は、既存の電話回線をそのまま利用するADSLなどの爆発的な普及により、大容量化が促進されている。
つまり、基幹回線の大容量化の見通しがたち、ユーザー側のアクセス回線も見通しがたったいまとなって、じつはその中間エリアの整備が進んでおらず、ボトルネックとなる可能性があることがわかったのだ。とくにブロードバンドサービスの提供開始が早く、アクティブなユーザーが多いため需要が見込める都市部では、この中間ネットワーク「ミドルマイル」が相対的に重要となってきた。


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