ストレージ仮想化

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ストレージ仮想化

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前回はシステム全体のコスト低減策について、主にネットワークとサーバーの運用管理の合理化による場合を解説した。今回はもう一つの大きなシステムコストであるストレージとその運用管理コストに着目してみよう。現在のストレージコストに無駄はないのか、またコスト最適化のために、ストレージの領域では何を考慮すべきなのかを探ってみる。手始めに問題点と対策を数え上げ、対策に役立つツールの役割と利用の考え方を解説していく。

ストレージ仮想化とは

かつてストレージはコンピュータの付属物の一つと捉えられることが多く、ストレージのみのコストが厳しく問われることは少なかった。DAS(DirectAttachedStorage)と呼ばれる、サーバーに直接ストレージを接続する形態が現在まで主役の座を占めており、扱う情報量がさほど多くなく、サーバー導入時に一括して導入したストレージ容量で事足りている場合には、ストレージをサーバーやネットワークから切り離して考えて効率的に運用していこうという機運が生まれる理由もなかった。またサーバーのコストに比べてストレージコストが相対的に低かったため、サーバーのコスト効果に重点をおいたシステムづくりを行うのは当然のことだった。

しかし今、システムをめぐる事情は大きく変わっている。ブロードバンド化やマルチメディアの普及により、システムが扱うデータ量は日に日に大きくなっている。分散化が進展してサーバーの数は確実に増えている。

当然クライアント数も増えている。システムが扱う情報量が大きくなると同時に、データそのもののサイズが大きくなっているのである。その一方で、ストレージのコスト低下に輪をかけてサーバーのコスト低下が急速に進んでいる。複数ベンダーが共通に示している数字によれば、サーバーとストレージの導入コスト比が2000年には7:3だったものが、2001年には5:5となり、2002年には3:7と、大きく逆転することが見込まれている。ストレージは今後、量的に増加していくとともに、コストとしてもサーバー以上に全体コストを左右する要素になってくる。今後は、ストレージを上手に導入し、どれだけ効率的・合理的に運用していけるかが、コスト管理の鍵となるだろう。

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