IPセントレックス:基礎編

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IPセントレックス:基礎編

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従来の企業の電話システムを一新するアウトソーシングサービスとして大きくクローズアップされたIPセントレックスだが、その後の普及状況は当初のイメージとは打って変わり、従来からのPBXを利用した内線通話システムを残しながらIP化を進めるいわば「併用型」が多くの企業に受け入れられている。

現実的な投資コストと削減可能なコストとのバランスを考慮した結果とみられるこの状況の背景を紹介しつつ、利用状況の変化やサービスの重点の移り変わりを見てみよう。応用編ではその中でコスト効果を最適にするための方策を考えていく。

IPセントレックス:基礎編とは

IPセントレックスは「IP電話」の一形態である。「IP電話」という用語の広義の定義は、電話による通信の仕組みの全部または一部でIPを利用すること、というようになるのだろうが、サービスベンダーやメディアがさまざまな意味で使っているため、わかりにくい用語になってしまった。次の3つに分けて考えるとよいだろう。

[1] インターネットIP電話
 主にブロードバンドサービスのユーザー対象にISPが提供している音声通話機能で、VoIP機能のついた専用ルーターにより通話をIP化してインターネットに送る。廉価な定額制で、従来の電話番号がそのまま利用できるサービスもある。

[2] 企業拠点間通話用のIP電話
 企業の拠点内および拠点間で無料の内線通話を実現するためにIP-VPNや広域イーサなどのWANを利用し通話をIP化して通信する。次の2つの方法がある。

[2-1] IP-PBXを拠点に設置して、拠点の電話をIP化して内線通話を可能にする。拠点間の通信はルーターを介してWANに接続して行なう。外線はゲートウエイを介して加入電話回線網に接続する。

[2-2] VoIPゲートウエイを各拠点に設置して、拠点内では従来のPBXによる内線機能を使い、他拠点への通話はゲートウエイでIP化してWANを通す。外線通話はPBXから行なう。

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