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ウイルス対策


システムを脅かすウイルスや不正アクセス、改ざん、さらに情報漏洩など、いったん被害に合えば巨額の復旧コストと社会的信用の失墜を招く危険がネットワーク上に蔓延している。一方これらのリスクに対応するセキュリティツールやサービスも、危険の増加に応じて発展し、充実してきた。しかし、リスクの最小化と対策コストとはトレードオフの関係であり、本当にセキュリティに万全を期すためには青天井の予算が必要になる。際限のないコスト増加にストップをかけ、最適なレベルのセキュリティを応分のコストで実現するためにはどんな方策があるのだろうか。今回は、主に外部からやってくる脅威に対抗するためのセキュリティシステムのあり方を、コスト面から考えてみる。

ウイルス対策

企業システムの外部からくる脅威には2種類ある。1つはウイルス、1つは不正アクセスだ。ウイルスについては対策ツールの導入が広く進んでいるものの、社内ネットワークの1つのマシンでも感染するとたちまち被害が広がる特徴から、必ずしも完全な対策となっていない場合が多い。特に昨年猛威をふるったNimdaはセキュリティホールを利用して自動実行される仕組みをもっており、さらに大量のメールを送る機能を備えていたため、それまでの常識を超えるわずか20〜30分という短時間で社内ネットワークをダウンさせるという凶暴性を見せた。このウイルスの特徴はKLEZやBADTRANCE.Bなどが引継ぎ、最近まで膨大な被害を生じさせている。これらは、発見から対策までの間に急速な増殖を行う可能性があり、従来のような定期的なウイルスパターンファイル更新のような悠長な仕方では間に合わなくなっている。

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